■清掃とクレンリネスの違い
「掃除」「清掃」は、
“汚れた後に対処する”
という事です。
これでは、「お掃除しよう」となるまで汚れた状態を放置することになります。
そして、忙しくてなかなか「おそうじ」できない事が続くと
“汚れを落とす事が大変”になってしまい、忙しい業務の中、つい後回しになり、
いつか〝取れない汚れ〟になり、〝院内の風景〟になってしまいます。
清掃業界には古くから“予防清掃”という言葉があります。
“汚れる前に拭く”
など、汚れが目立つ前に清掃の行動をすることです。
それを計画的に行うことが『クレンリネス』です。
そしてそれを歯科の業務の流れや個々のご事情にフィットした仕組みにするのが
『デンタルクレンリネス』です。
デンタルクレンリネスは、汚れを予防するだけではなく
院内全体、環境全体を対象とする事を基本としています。
シンクがピカピカ、トイレがキレイ、そういった部分部分をていねいに美化するのは清掃です。
環境全体の均一性があって初めて、そこを訪れる人、そこで働く人にとって気持ちのよい空間になります。
■歯科クリニックのクレンリネスのベース
歯科クリニックで発生する汚れには2種類あります。
・一般的な汚れ
・歯科特有の汚れ
一般的な汚れとは、どんな施設でも発生するホコリや水回りの汚れ。
歯科特有の汚れとは、歯科材料や薬液でのもの。
それらはすべて〝性質〟を把握して適切な対処をすることでなくしていく事ができます。
「汚れた、濡れた直後に必ず拭く」
「いつも濡れるところはいつでも拭けるように整えましょう」
「いったん付着すると除去が困難なものは〝汚さない使い方〟を追及して行きましょう」
〝クレンリネス〟を医院のしくみにし、計画的に行動をすると汚れやほこりが院内からどんどんなくなって行きます。
そして、汚れた状態になる前に汚さないようにしようと心がける、そのようにルールやしくみを作り、医院の状況にフィットするように改善していく。
これを継続していくと、一人一人が〝汚れに気づく〟ようになって行きます。
そして〝汚れを防ぐアイデア〟〝汚さない使い方〟へと進んでいきます。
なぜなら、人は汚れた状態や不快な状態を本来生理的に嫌うからです。
忙しい中、そんな事はできないとあきらめたのは過去の話。
「行動すれば、想像したより手間も時間もかからないとわかる。」
クレンリネスを実践された皆さんが言われます。
発想を変え、視点を変え、習慣を変える。
それだけで、これまで〝時間がない〟〝有効な方法がわからない〟と先延ばしにしたり、汚れている状態を〝仕方がない〟とあきらめたりしていた院内の環境を自らコントロールする事ができるようになります。
医療施設である以前に、人が過ごす場所として考えた時、不快だと感じる事のないよう、みんなが気持ちよく働け、過ごせる環境を作り上げましょう。
■デンタルクレンリネスでスタッフみんなが≪キレイキープの達人≫に。
日常の清掃を心がけている医院さんなら、歯科ならではの特殊な汚れがきっと気になるはずです。
その特殊な汚れをなくして行かないと清潔感のある状態にはなりません。
医院の中をきれいにするには、大きな視点で院内を見て、「基本的な汚れ」をまずなくすことです。
しかし「特殊な汚れ」も放置できません。
「基本的な汚れ」・・・ホコリや水汚れ、環境表面の汚れなど、どんな施設にも発生するもの。
「特殊な汚れ」・・・・主に歯科材料による汚れ。固着・着色・浸透するのが特徴のもの。
その盲点とも言える部分をなくす方法をブログのこの記事に書いています。
※外部リンク 小林のアメブロ記事へ移動します。
クリニック清潔化職人として、歯科クリニックの美観衛生に関わってきた私は、この「特殊な汚れ」を「基本的な汚れ」にする方法を日々お伝えして来ました。
1. 汚れの知識を基に、有効な方法で徹底的に「特殊な汚れ」を取り除く。
2. 汚れの知識と除去の方法が分かれば、取れにくくなる前に対処する「予防清掃」ができる。
先手を打つ事で、
「特殊な汚れ」になる可能性のある汚れを、「基本的な汚れ」と同じレベルにできます。
「基本的な汚れ」なので、清掃もらくらく簡単になります。
歯科の汚れは、他の医療施設と比較して大変種類が多く、放置すると除去困難なものもありますが、基本を正確に押さえて、汚れに先手を打てばキレイな院内を楽に簡単にキープできます。
汚れを抑える事ができたら次に『キレイキープの時間短縮』を進めて行けます。
頻度、時間帯、方法を医院の状況にフィットさせていき、清掃に関わる時間を計画的に短くしていくのです。
クレンリネスは〝目的〟ではありません。
クレンリネスでキレイキープとその時短を進め、診療業務に集中できる環境を作る事が最終目的です。
そんな方法を、歯科のスタッフさんには身に付けていただきたい。
そのための考え方が「デンタルクレンリネス」です。
「デンタルクレンリネス」は商標として登録しております。
クレンリネスを管理するのではなく、診療業務以外の〝全員協力の時間〟として楽しく行う事が定着の秘訣。